にゃんダフルDAY

猫、旅、食など。日常の中のにゃんダフルを綴りたい(^-^)

【世界自然遺産の島・屋久島】私の縄文杉「トレッキング」は修行だった【本編③】

 

(本記事は ↓ の記事の続編となっています)www.nyandafulday.com

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うわ~、もうたどり着けないかと思った~~~!

 

「どっちで見る??」

展望デッキは二つあり、縄文杉に向かって右手と左手にあります。

まずは右手から行くことに。

デッキに繋がる階段、最後のひと踏ん張り!

 

そして、そのときは訪れました。

 

そこには緑の葉に覆われた、とっても太く、白い縄文杉が。

霧に包まれ、厳かな空気が漂っていて

シン、、と静けさに包まれる。

 

一部葉に覆われていて全貌は見えないけれど、

それでも十分な存在感。

 

びしゃびしゃとか疲れとか忘れて

その存在感を体全体で受け止める。

 

遥か昔から、ここで世界を見てきた。

彼の目線から見た自分のちっぽけさ。

 

樹齢は推定2000年~7000年 と言われています。

もう一方の展望台からの方がよく見えました。

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写真ではわかりにくいですが、 とにかく大きくて、底知れぬ威厳がありました。

苦しかった往路が報われた。耐えてよかった。

 

しばらく展望台で浸った後は、昼食をとるために奥にある高塚小屋を目指します。

ここにきても雨は止むことを知りません。

標高は1,280mで、ずぶ濡れのふやけた体はどんどん冷えてきます。

 

高塚小屋までたどり着く前に屋根のある休憩所があり、そこで昼食をとることに。

お弁当屋さんで入手した唐揚げ弁当は、疲弊した体に文句なしにおいしい。

しかし、食べている間も寒い。こんなに寒いんだ。。。

つ、つらい。。。

 

食事を終え、時刻は12時過ぎ。帰りのバスは16時~17時あたりに乗りたいので、そろそろ出発しないといけません。

ここからが本当の地獄でした。

足がもう疲れてうまく動かない上に、寒さが追い打ちをかけてガクガクに。

下りの階段、落っこちそう怖くて降りられない。

相方に申し訳ないと思いながらも、ゆっくりゆっくり、落ちない様一歩ずつ歩を進めます。

 

帰りの大王杉やウィルソン株あたりでは、雨も小降りになり、体温も大分回復してきて

一安心。

開けない夜は無い。

永遠に続くかと思われた下りも終わりを告げました。

 

ところが、雨は午後に入ってもどんどん激しくなっていきました。

予報は完全にはずれ。弱まったと思ったのにまた強くなり、往路よりも道が川になっている。トロッコ道も場所によっては完全に水に埋まっているようなところもある。

「これはまじでやばいね」

友人と本気で焦り始めました。

 

行きは「トロッコ道歩きにくい」なんて思っていた私ですが、

下りの階段に比べたらトロッコ道の歩きやすいこと!!

 

帰れなくなったら困るので、トロッコ道を精一杯早歩きします。

行きはちょろちょろの小川だったところも、帰りはどうどうと流れる滝のようになっている!

1ケ月に35日雨が降るという屋久島では、これくらい水はけがいいんだな、というのを実感。

でも怖い。この怖さが屋久島の魅力でもある気がします。

前回もそう。霧で欠航した飛行機。自然の力にはあらがえない部分がある。

私は幸か不幸か、大きな災害を経験したことがありません。

しかし、この縄文杉登山で自然の脅威というものを体に刻むことができた気がします。

生きて帰らねば。

 

「生きろ。」

もののけ姫のキャッチコピーを思い出します。

 

逃げるように歩き続けます。

 

トロッコ道は単調で少し退屈と言われますが、こうした状況だったのでスリル満点で、

全然退屈どころの騒ぎではありませんでした。ある意味ラッキーだと自分を励ましながら変なテンションになってきます。

 

当初、帰りは余裕があれば往路で通った道ではなく、楠川分かれから白谷雲水峡の方へ抜けようかと友人と話していました。

実際楠川分かれに来てみると、そちらの方面の道には水があふれ、滝になっていました。。。!

友人と苦笑いしながら、「ないね」「死ぬね」と言いながら荒川登山口への道を急ぎます。

 

トロッコ道にはいくつも本当の川を渡る橋があるのですが、その川がまたひどく増水していました。川を直視すると勢いに飲まれそうで、なるべく橋の上に意識を集中して渡りました。

 

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後はひたすら歩く、歩く。やっぱり結構長い。でも縄文杉からの下り道よりはずっとまし。

帰れなくなる前に!急げ!!

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( ↑頭上をチョロチョロと流れていた水も滝のように )

 

見覚えのあるトンネルや岸壁。

山から遠ざかるにつれ、雨が弱くなってきました。

 

出口を示す看板が見えてきて、人里の気配。

 

「やっと着いた~~~~!!!」

 

荒川登山口へ無事帰還!!!!

その辺りはもう雨はほとんど降っていませんでした。

狐につままれたような、不思議な気分。

 

でも周りにいる登山客たちもずぶ濡れで、夢じゃなかったことがわかります。

全身が痛い。右足首が登山靴で擦れて特に痛い。

でも生きて帰ってこれた。。!

それが何よりありがたい。

 

こうして、私の縄文杉登山という名の修行が、

何事もなかったかのように幕を閉じたのでした。

 

 

これから臨む皆さんにお伝えしたいのは、とにかく防水対策をしっかりと!

休憩するときに椅子が濡れていても座りやすいよう、簡単なマットやレジャーシート等があると便利かもしれません。

 

屋久島の自然には、理屈を超えた圧倒的なパワーがありました!!

ぜひ行って体感してみてください!!!